【背幅の計算方法】ページ数と紙の関係、背表紙に文字を印刷するルール｜無線綴じ冊子

無線綴じ冊子の背表紙（背幅11.2mm）

無線綴じ製本で冊子印刷をするときに、入稿データの作成で必ず確認しなくてはいけないのが「背幅」です。
無線綴じ冊子には背表紙があり、背幅は本文のページ数や本文用紙の種類、厚さによって変わります。

表紙のデザインによっては、背幅が何ミリになるかで表紙（表1）と裏表紙（表2）のレイアウトを調整したり、背表紙に入れる文字の大きさを調整する必要があります。

この記事では、無線綴じ冊子の背幅について、計算方法から便利なツール、背幅の目安をお伝えします。

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背幅の計算方法

紙の厚さ（mm） × 紙の枚数 ＝ 背幅（mm）

上記が背幅を求める基本的な計算式です。

例えば、本文を両面印刷で製本する場合、本文100ページに使う紙の枚数は50枚になります。

上質紙70Kを本文用紙に使用するなら、1枚の厚さが0.1mmです。

この場合の背幅は、紙の厚さ（mm） × 紙の枚数 ＝ 背幅（mm） に当てはめると、

0.1mm×50枚＝5mm

背幅は5mmとなります。

また、上質紙90Kを本文用紙に使うなら、1枚の厚さは0.13mmで、

0.13mm×50枚＝6.5mm

背幅は6.5m

と、上質紙70Kに比べ、1.5mmも背表紙は厚くなります。（手で持ったときの1.5mmはかなり差を感じます）

さらに、無線綴じ冊子は、本文を表紙の紙でくるんで綴じて完成するので、背幅には表紙の厚さもプラスされます。

背幅の目安

ブックホンで扱っている本文用紙を例に、背幅がどれくらいになるか見てみましょう。
いずれも100ページを両面印刷して、表紙に上質紙135K（約0.17mm）を使った冊子で、本文用紙の種類を変えて計算しました。

※表紙用紙　上質紙135K（約0.17mm）

ブックホンの取り扱い用紙一覧

背幅をかんたんに計算できるツール

ブックホンではサイズ計算ツールを使って、無線綴じ冊子の背幅を自動で計算できます。

紙の種類、ページ数、サイズを選ぶと、背幅はもちろん、入稿データの塗り足しサイズ、文字印刷可能エリアをチェックできます。

サイズ計算ツール

背表紙に文字を入れるなら背幅3mm以上

背表紙に冊子のタイトルを印刷する場合、3mm以上の背幅が必要です。

3mmより狭いと文字を小さくしなければ入らなかったり、文字が表紙側に折れてしまったりと、読みづらくなります。

本文によく使われる上質紙70Kだと、60ページ（本文30枚）以上が3mmの背幅になります。

ページ数が少ない冊子の背幅を増やす方法

「本文のページ数は少なくて背幅が狭い。けれども背表紙に文字を入れたい」

という冊子に、背文字を印刷できるようにする方法があります。

「紙の厚み」を増やして、背幅を3mm以上にすればいいのです。

例えば本文40ページでも上質紙110Kで印刷すれば、背幅は3.1mm（表紙用紙：上質紙135K）になります。
上質紙70Kなら背幅2.3mmですので、0.8mmプラスできます。

ページ数が少ない冊子でも、厚い紙に印刷すれば厚い本になる。
当然のことではあるのですが、覚えておくと「本文のページ数が少なくても、背表紙に文字を入れられる」ことでデザインの選択肢が広がります。

※本文の紙が厚すぎると、めくりにくくなります。サイズとページ数、表紙用紙とのバランスを考慮しつつ検討しましょう。

背幅を減らすには？

紙の厚さを変えて背幅を増やすだけでなく、反対に「ページ数が多く、厚い本になってしまう。厚みを減らしたい」という冊子に、薄手の紙に変えて背幅を減らすこともできます。

例えば、コート90K（約0.08mm）なら、上質紙90K（約0.13mm）より薄く、背幅をおさえた製本が可能です。
ただし、コート紙はもともとカラー印刷向きの紙で、つるつるした質感の光沢がある紙です。サラッとした上質紙とは手触りが全く違います。また、紙によって印刷費も変わるため、本の厚みを押さえたいなら一番薄くい紙を使えばOK、いうわけではありません。
予算や仕上がりをイメージしながら、背幅と背表紙のデザインを考えてみましょう。

冊子印刷で「こういう雰囲気に作りたいけれど、製本や紙はどうすればいいのだろう」「紙はどれがベスト？」と迷われましたら、お気軽にご相談ください。印刷製本のスタッフが、お客様の目指す冊子に近づけるよう、ご提案いたします。

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