表紙の表面加工「PP加工」とは？特徴と加工料金、注文時の注意事項　

「高級感のある表紙にしたい」「製作した冊子の耐久性を高めたい」――。

それならオプション加工の「PP加工」がおすすめです。
一体どんな加工なのか、PP加工の種類や費用、それから、発注時の注意点についてご紹介します。

ブックホンの冊子印刷５つのオプション加工

PP加工の特徴とは？

PP加工とは、ラミネート加工に分類される1つの方法です。
透明フィルムを圧着コーティングすることで、印刷用紙の表面を保護します。書籍においてこのPP加工が用いられるのは、表紙やカバー、帯などです。

PP加工は表紙を守り、傷などから守ってくれます。そのため、長きに渡って使用したり、長期保管したりする冊子に適した加工です。

例えば、教材やテキスト、マニュアルや記念誌、報告書やアルバム、写真集などに利用するといいでしょう。

クリアPP加工（グロスPP加工）

ツルツルとしたコーティングのPP加工は、クリアPP加工と呼びます。

ツヤのある光沢が高級感を漂わせ、発色もよくなるので、表紙にはぴったりの加工方法です。一部では、グロスPP加工と呼ぶこともあります。

マットPP加工

マットPPは、無光沢・ツヤ消しの効果が得られるPP加工です。

加工表面はサラサラとした質感があります。やさしい柔らかな印象になり、品のある落ち着いた高級感が特徴的です。

反射がないので、写真や商品、イラストが見えやすいというメリットもあります。ただし、傷が付くと目立ちやすいので、擦れなどには注意しなければいけません。

その他、特殊なPP加工

PP加工には、他にも種類があります。

例えばキラキラと光を反射するホログラムや、凸凹としたマチエールが目を引くエンボス加工などです。印刷所などによって取り扱いが違いますので、見積もり時などに別途確認しておくことが大切です。

PP加工の費用はいくら？

気になるのが費用です。

ここでは、PP加工がある場合とない場合、両方の費用を算出して比べてみましょう。

PP加工の料金　サンプル1

• A4
• 100部
• 無線綴じ
• 本文　用紙／上質90K　印刷／モノクロ両面　総ページ数／50ページ
• 表紙　用紙／マットポスト220K　印刷／カラー片面
• PDF入稿・超ゆったりコース（10営業日）の場合

PP加工の料金　サンプル2

• B5
• 200部
• 無線綴じ
• 本文　用紙／コート90K　印刷／カラー両面　総ページ数／50ページ
• 表紙　用紙／アートポスト200K　印刷／カラー片面
• PDF入稿・超ゆったりコース（10営業日）の場合

PP加工は、表紙の片面のみ（表1、表4）にPP加工を施しています。

PP加工ありとなしの差額は、サンプル1が7,088円。1冊あたりの差額＝PP加工料金は約71円。

サンプル2では1冊あたりのPP加工料金が約50円。

このように、PP加工も、ロット数によって費用が変わってきます。
発注部数が多くなればなるほど、一冊あたりの費用は安くなるのが一般的です。

100円以下で高級感が出たり、堅牢な作りになったりするPP加工。
ぜひ、印刷・製本の際には検討してみてください。

注文できないかも？ 「PP加工」発注の注意点

PP加工は、発注する際に注意点があります。

一番の注意点は「薄い用紙には加工できない」という点です。

PP加工を薄い紙に施すと、シワが寄ったり、加工にズレが生じたりと、スムーズに加工できません。
そのため、ある程度厚みのある用紙にしか加工できないのです。

「本文も表紙も同じ紙で印刷したい……」という場合、薄口の本文用紙では、PP加工してもらえない可能性もあります。設備性能によっても異なりますので、事前に確認してから依頼しましょう。

その他、PP加工発注の注意点

PP加工は、ラミネート加工の一種です。
フィルムそのものは耐水性や防水性を持ちますが、加工した表紙の断面や裏側（フィルムを貼らない面）はあくまで普通の紙ですので水には弱いです。勘違いしないように、心得ておきましょう。

他にも、PP加工は熱でフィルムを圧着します。
そのため、「ユポ」などの石油合成紙の場合は、変形の原因になります。表紙の紙種をこだわりたい方も多いと思いますが、PP加工を予定している場合は、PP加工が可能かどうか、事前に確認が必要です。

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