わかりやすいテキストや教材をつくるには？
おさえるデザインのポイント・4つの基本

テキストや教材、新しい知識や学習理解を深めるには必要不可欠なものですが、必ずしも誰かがそばにいて解説をしてくれるわけではなく、むしろ「この1冊で事が済む」と思える独り立ちした紙面が理想的です。
初めて任されてどうすればよいかわからない、少しでも分かり易いページの冊子にしたい、という方のために適切なテキストや教材の紙面を考える際の基本的な4つのポイントについてお伝えします。

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簡単ですぐできるって、ホント？

『読みやすく頭に入ってくるテキストや教材』にはほとんどの場合、基本的なデザインのポイントが守られています。
基本的なデザインのポイントとは、何も難しい事ではなく、今日からでも実践でき、「なーんだ、そんなことでいいの！？」と思えるほど単純なことです。また、基本的なことですので、テキストや教材に限らず、パンフレットや資料、報告書など様々な紙面にも使えます。

揃える、空ける、集める、差をつける。大きくはこの4つです。

あくまで基本ですので、どんどんステップアップ、より良い紙面は工夫次第で可能ですが、まずはこれから述べる4つのポイントが意識せずとも自然にできるようになることが大切です。

即実践！4つのポイント

POINT1．揃える

揃えるとは、「位置・大きさを揃える」と「パターンを揃える」、この2つがあります。
位置を揃えるとは、文字通り、紙面を構成する文字や画像の位置を「揃える」ことです。単純に行、文字の書き出し位置はもちろん、文同士の位置関係である行間も該当します。また本文フォントのサイズも段落やページごとでバラバラでは受ける印象も変わりますし、読み辛さに繋がります。

ページには様々な情報があります。タイトル、見出し、通常の本文に加え、注意書きや画像や図解といったイメージもあります。テキストや教材であれば、テーマや説明文、定理法則、例題や解答といった情報で、1冊のテキストの中でくりかえし登場する要素と言えます。
これら要素のそれぞれの見せ方を、一定のパターンに従って「揃えて」おくことは非常に重要です。

見せ方を揃えておくことで、章や単元が変わっても、このくだりはここまでなんだな、ここがポイントなんだな、という情報整理がスムーズに行われ、ユーザーの学習効果の向上に繋がります。またテキストや教材を見直す際の探しやすさ＝使い勝手にも影響します。

POINT2．空ける

主には読みやすさの話ですが、テキストや教材に限らず読み辛い小冊子は読む意欲を削いでしまいます。詰め込んだ方がページ数は減らせるので費用は安く済みますが、効果を得られないテキストや教材では本末転倒ですので、ユーザーの読みやすさを最優先で行間や余白を設定することをおすすめします。

また、情報の単位ごとにもスペースを「空ける」ことで、情報を正しく伝え、理解の速度を早めます。このことを別視点で考えると、次の「集める」に繋がります。

POINT3．集める

先ほど触れた「情報の単位」ですがこれはグルーピングと言われていることで、関連する情報はひとかたまり（に見えるような位置関係）で配置する考え方です。

例えば一問一答のページを考えてみます。そこには《Q》と《A》が掲載されているわけですが、それらが乱雑に配置されている場合や、余白が均等に設定されている場合、《Q》と《A》の紐付けが分かり辛くなります。《ヒント》などの項目があっても、どの設問に対してのヒントなのか不明瞭になりかねません。

この時の「情報の単位」は「Q・A・ヒント」が1単位ですので、この単位ごとに「集めて」配置、単位の間の余白を意識して空けると、それだけでも紙面効果が上がります。
この単位を罫線で囲んだりすることもひとつの手法ですが、罫囲みは乱発すると逆に見辛さを生みかねませんので慎重に。

POINT4．差をつける

ここで言う「差」には色による差、グラフィカルな部分（袋文字や影、帯デザインなど）での差など、本来様々なものが含まれています。
主には見出しの扱いにはなりますが、ここではフォントとフォントサイズについてお伝えします。

「揃える」のくだりで、本文フォントのサイズがバラバラだと読み辛い、とお伝えしましたが、仮に紙面内の全てのフォントサイズが同じだとしたらどんな印象をうけるでしょうか？
読みやすいのですが、おそらく印象には残り辛いページになりそうです。テキストや教材なのですから、ポイントをおさえ、記憶してもらわねばなりません。

そこでフォント選びやフォントサイズの「差をつける」ことで、簡単に読みやすく内容を捉えやすいページに変えることが出来ます。
注意することは、《むやみに差をつけない、つけすぎない》ことです。差を意識するあまり、フォントの種類を増やし過ぎると紙面が散漫になり、スムーズに内容が取り込めなくなります。大きさについても同様で、様々なサイズで表現されると「結局どこに注目すればいいの？」という事態を招きかねません。

まずは「3つ」まで。フォントの種類は3種類、大きさは大・中・小を意識して作成してみてください。それだけでもかなり印象が変わります。
ここでいうフォントの種類とはボールドなどのウェイトも含みます。ウェイトが違うだけだと紙面全体の統一感は保持されやすいため、豊富なウェイトを持つフォントは持っていると重宝します。

何より大事なことは

ここまでで記載したことは、あくまでも基本の事ですので、デザインに関わる人々はみな実践していると言っても過言ではないと思いますし、趣味で何かしらデザインをなさる方でも経験的にご存知かもしれません。
また、基本から発展した【「揃える」中であえて1点を変化させ印象づける「崩し」】などテクニック的なことも、世には多数あります。ですが、

目標はあくまでも「正しく伝わり効果の期待できるテキストや教材」をつくること

ですので、まずは気負わずシンプルに、見やすく読みやすいことを最優先でチャレンジしてみてください。

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